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それから少しの間ボーッとしていたら
『ごめーん!この身体じゃ運べないから取りに来てくれない?』
という声が台所から聞こえた。
そりゃそうだよな。運べるわけないよな。猫だもんな。
てか作ることはできたのか。頑張ったなあいつ。
「ああちょっと待ってくれ。今行くから」
立ち上がり台所まで行く。
「あ、玲。ごめんねー。猫になってるのすっかり忘れてた。」
苦笑いする美羽(そんな風に見えるだけ。猫だからね)。こいつはどれだけのんきなんだ。普通こんな状況になったらいやでもわすれないだろ。やはり夢なのか。
「美羽はのんきだな。こんな状況を忘れるなんて。」
「なによ。私だって忘れたくて忘れたんじゃないわよ。いいじゃない玲は性別変わっただけで人間なんだから…私なんて人間的な生活が送れなくなったのよ。現実逃避くらいさせてよ。」
少し頬をふくらませて(るように見える)反論してくる美羽。
確かに美羽に比べたら俺はましなのかもしれない…が俺は男だ。男の尊厳ってやつはある。
「それにもともと玲は女顔なんだからそんなに変わらないじゃない!」
「俺は今軽く傷ついた。」
なんてこと言うんだこの猫は。天と地ほどの差があるぞ、男で女顔と女は
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