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『本当に…玲…ですか?』
「ああ、俺は春野玲(はるのれい)だ。信じてくれ。」
『…本当に玲なのね?信じるけど…なんで女になってるの?』
「俺にもさっぱりなんだ。朝おきたら急に…とりあえず入れてくれないか?他の人から変に思われるかもしれない。」
俺は学校を休んでいるから人の視線が痛い。
『それもそうね。鍵は空いてるから勝手に入って。』
無用心だなおい。まぁそれを口に出したりはしないが。なにか理由があってのことだろう。
「ああ、わかった。」
ドアをあけ美羽の家に入る。一応「おじゃまします」と言っておく。
玄関には黒猫がいたが美羽は猫を飼っていた記憶はない。最近飼い始めたのだろうか。
しかしこの猫、めずらしい猫だな…尾が二股に分かれている。なんかこんな妖怪いなかったっけ?確か…猫又とかそんな名前の…
「いらっしゃい玲。とりあえず私の部屋に来て。」
どこからか美羽の声が聞こえる。俺はきょろきょろとあたりを見回した。
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