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「…お前、昨日 俺を助けたよな?」
「…水とハンカチなら置きましたけど…」
「じゃあ、人違いじゃない」
そう言ってハンカチを渡してくれた
あ、何気 新品だ
「俺は、優しいお前に惚れた…。倒れていた俺に、さりげなくハンカチと水をくれ、尚且つ自己主張せずに、見返りを求めずに去って行ったお前に惚れたんだ…」
………何とも言えない
いやぁ、渡したのはノリで、声かけなかったのはそこまで勇気がなかったからなんだけどなぁ…
あらぬ方法に解釈され惚れられてしまったらしい
「えっと、あの…見て分るとおり、俺、男ですよ?」
「大丈夫だ、問題ない」
いや、問題ばかりだろうが!
「あ、の…言っちゃアレなんですけど…昨日のは気分で…そんな優しくないし、それに俺、男で平凡だし…かわいかったらまだ分かるんですけど…惚れられる意味が…」
「でも、お前は俺を助けた。だから、優しい。それに、気分で俺を助けたってことは、これは運命だろ?」
いや、そんなドヤ顔で言われても…まぁ、美形だから様になってるけど…
「運命とk「運命だ、だから俺と付き合ってくれ」………」
なにコレ、付き合え詐欺(?)的な?…優しくされたら誰にでも言いそうだよなぁ
なんて思っても、まっすぐ過ぎる瞳に目をそらせなくなった
「………………………………」
少なくとも、今は本気なんだ と伺える瞳
俺が答えを出せずにいると、相手は名案を思いついたとでもいうような顔をして俺の肩を持つ
「お前が答えを出すまで、俺はお前と一緒に過ごす!それから決めてくれ!」
屈託のない笑顔で言われては、断るもんも断りがたい
どんどん追い込まれるのは自分だと、心では分かっているのに断れない
「分かったよ」
どうしよう、おもしろい日常じゃなくて新開地への扉を開きそうな自分に苦笑いしながらも、相手の笑顔がかわいく見えてきている自分
そんな自分に飲み込まれないように、格闘する日々が続くのかなぁ…なんて、青い空を見上げてみたりして
・・・アイツが他の人を好きになるまでは付き合ってみても良いかななんて…そんなこと考えてるのは秘密な、うん、今日からも程々に平和な日常が続きそうです。あれ?何故に敬語?
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