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「皆さん、少し聞いて欲しいことがあるのですが…」
俺の言葉に仕事をやらされていた生徒会メンバー全員がこちらを向く
「明日、転校生が来るらしいんです」
「ん~?転校生~?健ちゃん、その子可愛い~?」
お、椎名が食いついた
これは…副会長イベントを無くすいい機会かもしれない
自分は王道くんにキスなんて絶対嫌だもんね~
「そんなに気になるのでしたら椎名が行ってきたらどうですか?」
「ぅえっ?それは副会長の仕事でしょ~?」
俺の言葉に慌てて反論してくる椎名
まぁ、面倒くさいもんな~、でも俺としてはチャラ男か無口ワンコあたりに頼みたい
「気になるんじゃなかったんですか?」
「ん~、そこまでじゃないっていうか~」
チャラ男はそう言うと俺の肩に手を置いた
「やっぱりぃ、しっかり者で頼れる健ちゃんが行った方が転校生くんも安心じゃな~い?」
ぐぬぬ、チャラ男のクセに何て正論…
こ、ここは…
「すみません、私は残念ながら明日の朝は急用がありまして…」
秘技・行きたくても行けません、だって用事だもん☆ 作戦
「ええええええええええええっ?!!」
俺の発言に対して、椎名の驚きの声があがり、他のメンバーも驚きの顔でこちらを見る
俺に用事があっちゃ悪いのかコノヤロウ…
そんなことを思っていると、椎名の口から思いもよらない言葉が飛び出す
「…俺の王道がぁ…」
ボソリと呟いた言葉であろうが、俺にはハッキリ聞こえてしまった
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