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…うわぁ…ヒーロー参上…?
なんて働かない頭で考えていると、相手の腕を伝い素早く後ろについたと思うとそのまま腕をひねり上げた
「いっ…いだだだだだだだだだだだっ…」
しばらく野太い悲鳴が響き、不良さんは相手を突き飛ばす勢いで放した
相手はうずくまるがすぐに立て直し、雑魚キャラよろしく「覚えてろよ!!!」と叫んで逃げ帰っていった
…情けなっ…と、さっきまで恐怖していた相手なのだが考えてしまった
「あ、ありがとうございま…」
俺が礼を言っている途中になぜか不良さんからアツイ抱擁を受ける
俺は頭がついて行かずパニック状態
え?なに?俺にはこんな親しい不良の親友も幼馴染も、ましてや生き別れの兄弟もいないよ?!!
なのになんでこんな大事そうに抱きかかえられてんのっ?!!
昨日水とハンカチを置いただけの俺に対してかなりやり過ぎな対応なんじゃないか?!!
もう理解不能過ぎて何も考えられなくなる
「…よかった…、すまん、俺…」
そういってさらに力を込めてくる不良
いやいやいや、展開ついていけねぇって、なんでそんな付き合っている恋人みたいなノリで抱きしめてきてんだよ!ノれねぇよボケっ!
てか、冗談じゃなかったら、もしかしたら…
俺は勇気を振り絞って尋ねる
「あ、の…、人違い、してませんか…?」
俺がそう言うと、相手の動きがピタッと止まる
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