始まりの始まり

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ここはどこだろう。 暗い中から突然明るい場所へ出たときのような眩しさに、うっすらと目を開けた。 何もない。本当に何もない。 見渡す限り、全てが等しく薄緑。 大きな、大きな草原の上に、1人ポツンと立っていた。 何もない。 自分が誰なのか。 何故ここにいるのか。 私(俺)には、記憶がないようだ。 「さて、これは困ったぞ」 私(俺)は顎に手を置き、困ったような表情になる。 これでは自己紹介もできやしない。 ましてや、一人称すらあやふやじゃないか。 知識はある。 『俺』は男が『私』は女が使う一人称。 偏見も混じってるがそれは置いといてほしい。 「見た感じだと、体は男らしいから、俺でいこう」 改めて体を見る。 太めな筋肉。割れた腹筋。 大きな体だこと。 アレも付いてるから、男だとわかる。
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