間話・結果報告

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~ティア視点~ 結果的に言うと、死人は出なかった。 どころか重傷人も出なかった。 太郎さんはあの後新幹線みたいなスピードで美月達に追い付き、そこで鉢合わせていた妖魔を瞬殺して事なきことを得たのだ。 倒された妖魔を見て美月はポカンと口を開けて、高槻君は勝利した太郎さんを見て子供みたいにはしゃいでいた。 あのいつもクールな高槻君が、だ。 襲っていたのは私達と同じ猿の妖魔で、美月と高槻君の二人がかりでも全く相手にならなかったらしい。あと一分でも遅れてれば危なかったと二人は青ざめた顔で語った。 事情を聞いてみると、その妖魔は美月達にも最初は変装して不意打ちを誘ったそうだ。 変装の対象となったのは私、 つまりティア・バーミリオンの偽物が現れたのだ。 偽高槻君と同じく外見ではまず見破れないレベルの変装だったらしいが、彼等にはなんと通じなかったというから驚きだ。 見破ったのは美月だと聞いて私は更に驚愕した。失礼な話だが、私の親友はそこまで深く考えるような人じゃなかったからだ。 曰く、『ティアはもっとフローラルな匂いがする』らしい。凄い美月。本当に凄いと思う。でも今度から人の体臭は嗅がないでもらいたい。
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