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俺こと佐藤草介が青い地球の小さな島国から、とある異世界へとぶっ飛ばされたのは、中学一年二月の話だった。
ちょうどその日は近所の女の子の誕生日で、俺はその娘の家で開かれたパーティに出席していた。冬にしてはやけに暖かい日だったのをよく覚えている。
その女子との関係は、いわゆる幼馴染という奴で、それなりに長い付き合いだった。それと同時に、彼女は俺の初恋の相手でもあった。
だが当時はどうも彼女と友達以上の関係になれず、やきもきしていたのだ。だからいい機会だと思った。想いを正直に伝えるチャンスとしては、まさに御誂え向きだと。
プレゼントには、泣けなしの小遣いをはたいて小綺麗なアクセサリーを購入した。当時中学生の俺には手が出にくい値段だったが、その辺りは気合でカバーした。
告白までの流れは、大体以下の通りである。
誕生日パーティの途中に、屋敷の外へ自然を装って呼び出し、今までの思い出を語り合う。
そして俺の中で場の雰囲気が最高潮に達したと判断した瞬間、告白を敢行した。
そうだな、自信はあった。
小さい頃から一緒で、数え切れないほど時間を共にし、深く馴れ合った仲だ。
俺はあいつの事が好きだったし、当然あいつも俺に惚れていると思っていた。いわゆる自惚れという奴だ。
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