ごめん寝てた

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ここは某国に存在する魔法協会本部、 【見聞の塔】。その中にある薄暗い会議室。 唯一の光源である大型のディスプレイに、10余名の視線が注がれていた。 彼等が一頻り映し出されていた映像を見終わったのを合図に、部屋の中に透き通った女声が響く。 「以上の報告から、闢王様の形跡は完全に絶たれたものと思われます」 視聴していた各々が結果を聞いて顔を濁らせる。 その中の一人、灰色の燕尾服を身に纏う男は堪らず渋みがかかった声を漏らした。 「完全に見失ったと言うわけか…。 手詰まりだな。あれが本気でかかればそんじょそこらの使い手では話にならんぞ」 男の発言に皆が一様に頷く。そんな中で、白く細細した手が挙がった。 「でもさでもさ」 挙手したのは藍色のローブで体全体をすっぽりと覆った女性。 フードも被っているので表情を窺う事は出来ないが、その声は妙に間の抜けたものだった。 「その妖魔、人としての本質は失ってナインでしょ?別に急がなくてもいいんじゃナインですか?」
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