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「いやいや…」
この場には似つかわしくない白衣を着込だ男が、ちょっと待て、と言う風にローブの女性に制止をかける。
「目的がわからない以上野放しにはしておけないだろ。それに、この状況いつまでも続くわけじゃないっしょ?」
「そうとも限らないぜ」
口を開いたその男は、この中で唯一学生の格好をしていた。
青年は見た目は若く、高校生程度の風貌に見える。しかし、その態度は実に威風堂々としていた。
「消息が絶たれた場所はあいつらの管轄だろ?このまま放っておいても大丈夫じゃないのか?」
青年が出したその意見に、すかさず黒い袴姿の中年男性が異を唱える。
「事態の深刻さを考えんかい。まだ子供だぞ…。任せっぱなしで良い訳がなかろうが…」
袴姿の中年が呆れる様に言うの見て、またもやローブの女性が片手を挙げて発言を始めた。
「でもでもー、私は下手に手荒な真似はやめた方がいいと思うの。なんたって土地神だしー?」
「お主…妖魔に情でもかけとるつもりか?馬鹿馬鹿しい」
「今はそーいう問題を話し合ってるわけじゃナインだけど。ていうか、貴方みたいな野蛮な人にどうこう言われる筋合いなくない?」
「なんじゃと…」
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