宍戸王子と笑えない俺

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「ちょっと、なにあんたら仕切ってんのよ。急に来た奴が偉そうにしてんじゃないわよ」 俺と高槻のやり取りが気に食わないと言わんばかりに食ってかかるツインテ…呼びにくいな。もっと良い名前はないのかよ。 そういえばこいつ下の名前が美月だったっけ。 「そんなに怒るなよミッキィ」 「美月よ!変なあだ名付けんな!!」 変なあだ名とは聞き捨てならない。かなり親しみのある奴をオマージュしたのだ。そう、これはオマージュだ。断じてパクったのではない。というか一字一句同じだったらキーブレードで殺されてしまうからね!ハハッ☆。 背後から聞き慣れた声を投げかけられたのは、その直後だった。 「あの、すいません…」 頭だけ振り向けば、既に出発した筈のこづみがおずおずといった様子で話しかけてくる。 その表情は何故か不安げな雰囲気を匂わせていた。見ているとこっちまで滅入ってしまいそうな、そんな顔。こいつは俺のハイテンションに恨みでもあるのだろうか。 しかし俺に何の用だろう。 まさかバレたのか? いや、例えこづみに思い当たる節があったとしても、俺を一般人だと思い込んでいる限り見破れる可能性は薄い。 行って他人の空似が精々だろう。むしろこういう時は動揺していた方が怪しまれる。毅然とした態度で対応するのが無難だ。 「何か用か?」 「いえ…その…あの…」 少しドスを利かせた声で質問する。すると億したのか、かなり小さな声でごにょごにょと二、三言呟いた。けどぶっちゃけなに言ってるか分からん。
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