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「ふう…」
妖魔が消滅したのを確認して、ミッキィはレイピアに纏わせていた魔力を解除する。
そのままスッと丁寧に刀身を鞘へ収める。先ほどの粗暴な振る舞いとは裏腹に、一挙一動に気品が感じられる動きだ。
「そこそこの相手だったわね。………ティア、次の目標はどこ?」
そう聞かれた途端、ティアは何かを探す様にキョロキョロと周囲を見渡す。やがてある方向を冷えた目でじっと見つめた。
「…一番近いのはここから北西に約210。今街側に移動してる」
「よし、じゃあそこへ向かうわよ」
力強く言い放ち、ミッキィは表情を引き締める。どうやら休憩をする気はないらしい。
「あ、その前にちょっといいか?」
ミッキィとティアが次の目的地へ行く前にすかさず挙手。でもあれ?難聴かな?ちゃんと聞こえてるはずなのにミッキィは見向きもしてくれない。
「おい…聞いてるか?」
「ティア。感知は怠らないようにね」
「了解」
キャベツ太郎さんは悲しくなんてないよ。
だって強いもん。
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