108081人が本棚に入れています
本棚を移動
/1642ページ
「おい宇藤、ちょっと待て」
ミッキィのツンケンな態度に痺れを切らしたのか、ドスの利いた声色で、高槻が抗議の声をあげた。というかあげてくれた。
いいぞ高槻!いてこましたれ!
「何故先生を戦いに参加させない」
前振りをかっ飛ばして、いきなり核心をつく高槻。だがミッキィの態度は変わらない。
「…キャベツは駄目よ駄目。駄目に決まってるじゃない」
三回も言わなくてもいいんじゃないんですかねぇ…。
「先生は自分の意思で妖魔狩りに参加してくれたんだぞ!」
「そこから既に怪しいのよ。いくらなんでもタイミングが良すぎるわ。土村先生が許しても私が許さない」
そう言い終わるや否や、ミッキィは表情を怒りに歪めて勢いよく俺に向かって指をさした。おい、失礼だからやめろ。
「そもそもアンタがこんな得体の知れない奴を連れてこなきゃ警戒する必要もなかったのよ!」
ミッキィが目を剥いて叫ぶ。事情の程は知らないが、俺を疑うだけの理由があるのだろう。まあひょっとこのお面を被ってる時点で既にアレだが。
ミッキィの体躯は女性の中でも大きい方とは言えないが、とにかく迫力が凄い。もしかしたらミッキィは怒らせると怖い人部門第一位を取れるかもしれない。
そんな怒髪天な状態のミッキィを諌めたのは、意外にも物静かなティアだった。
最初のコメントを投稿しよう!