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「あんた…マジで言ってんの?」
「Yes Yes Yes」
答えると、ミッキィは俺を鼻で笑った。いや、ニュアンス的には呆れられた、の方が正しい気がする。それを境にミッキィは俺からおもむろに視線を外す。
まるで最初からそこにはなにもいなかったように、彼女の瞳からは俺への一切の興味が消え失せている気がした。
「高槻…これがアンタの言ってた飛び切り優秀な魔術師って奴?」
まるで女王のように嘲笑うミッキィ。それが彼女の性格とマッチして、なかなか様になっていた。
一方高槻は俺が馬鹿にされたことが心底悔しかったのか、鈍い歯軋りの音が静かに響く。
「…例え普通の魔法が使えないとしても、先生の体術は本物だ。土地神クラスの妖魔を無傷で倒したんだぞ」
「黙りなさい。それ以上妄言吐くならアンタまで疑うわよ」
ぴしゃりと、有無を言わさない態度で高槻の言葉をぶった斬る。もうお前の反論を聞く気はさらさらない、正にそんな顔をしていた。
「だいたい…魔力を外に飛ばす技術って基礎の基礎よ。それすら出来ないなんて、よっぽど落ちこぼれなんでしょうね」
その迫力に思わず心の中で謝罪してしまう。なんかごめんなさい。でも本当の事なので弁解のしようがないのもまた事実。
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