平成皆殺し合戦withミツキ

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ミッキィの苛烈な対応に色々と思考していると、高槻がえらい事になっている事態に気付く。何と言うか、ブチ切れていた。 顔が褐色の肌からでも分かるくらい赤くなっていたのだ。 「宇藤お前…。それ以上はやめろ…怒るぞ」 「は…?なに?やるの?」 ミッキィが体全体に、いや、剣に風を纏わせる。これはさっきのカマキリの時のあれだ。トレードマークのツインテールが静かに波打ち、否応無く臨戦を知らせた。 高槻はそれを挑発と取ったのか、荒れ狂う旋風に応えるように、無言で両の手のひらに炎塊を滾らせる。 おいおい、ガチじゃないか。俺が原因で喧嘩なんて洒落にならんぞ。 取り敢えず戦闘が始まると本腰いれてやばいので、慌てて背後から高槻の両腕を拘束する。 「おい、落ち着け高槻。つまらんことで仲間割れすんな」 「しかし…!」 「いいからいいから」 言い聞かせると、炎弾を消してあっさりと大人しくなる。これで一先ず高槻は大丈夫だ。 後はミッキィなのだが、見てみると何故か半透明な結界の中にいた。どうやらティアが見兼ねて閉じ込めたらしい。 「ティア…」 「キャベツ太郎さんの言う事が正しい。今はそんな事してる場合じゃない」 ミッキィは少しばかり虚空を見つめ沈黙し、無表情で刀身をその鞘に収めた。 一方俺はキャベツ太郎にまさかさんをつける奴が存在する事に驚きを禁じ得なかった。
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