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「先行くわよ」
スパッ、と風切り音を響かせて、ミッキィがティアが指示した方向へと単行する。流石風の魔術師、移動が速い。
「おい宇藤!単独行動はやめろ!」
そう叫ぶや否や、高槻はアニメのロボットみたく両手から炎を噴かせて高速で飛んで行った。アイアンマンか貴様は。
そして何気にミッキィの事を心配してる高槻君を見て思わずほっこり。怒りはするも仲間の身は案じる。いい奴じゃないかお前。
とか何とかツッコミなんぞ入れないで俺も追わなければいけない。こいつら三人は割と速いのでちんたらしてると置いてかれる。
学園とやらの教育の質が良いのだろう。きちんとした身体強化が出来なければあのスピードは出ない。
身体強化は走力を強化するという理由もあるが、何より高速移動に耐えられる身体を作る為という意味合いが大きいからだ。
おっさんとしては少し休憩を挟みたいのだが、爺さん婆さんに被害が及ぶ事に比べればなんのその。
筋肉を解す為にぶらぶらと首を両手首を振っていると、既に先に行ったと思っていたティアが側で俺の事をじっと見つめていた。
気になったので一旦動きを止めて、とりあえず彼女に質問を投げてみる。
「……えっと、何か用?」
「貴方に謝りたいの」
「え…?」
顔の筋肉が一気に固まった気がした。
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