この作品は本棚「あとで読む」に入っています
本棚「読んでいる」に移動
謝る?
え?いや、何を?
「美月が貴方に失礼な態度をとって…ごめんなさい」
そう言って、ぺこりと丁寧に頭を下げた。
一瞬、何を言われたか理解できなかった。言葉の意味を三度ほど咀嚼して、ようやく彼女が美月の代わりに俺に謝罪をしていることに気付く。
だがその理由のほどはさっぱり伝わらなかった。というかはっきり言って反応に困った。
「…何でお前が謝るんだ?」
「それは…。
貴方は今回の任務、どこまで事情を知ってる?」
「いや…特に何も。俺は近所で化け物が暴れてるって聞いたから、駆除の手伝いに来ただけだ」
ティアは「そう」、とだけ呟いて話を続けた。
「今回の任務は、本来なら学生に依頼されるようなものじゃない。対象となる妖魔が強過ぎるの」
「強過ぎる?」
「そう。つまり、高槻君が遭遇した猫の妖魔だけじゃなく、ここら一帯の妖魔の平均値が高いってこと」
「ああ…成る程…」
俺が経験した異世界と地球じゃ出てくる魔物の強さのアベレージもまるで違う。ティア達が今までで倒してきた妖魔共のレベルは、通常のものより頭一つ抜けていたという事だ。
だとすればそれをポンポン倒していた彼等はかなり優秀なのだろう。思えば皆良い動きをしていた。
じゃあこいつらより優秀な王子やこづみはどれくらいの強さなのか。王子はともかくこづみが強いイメージが全く湧かない。
だってあいつ運動神経良いのに何故かバッタより弱いもん。
最初のコメントを投稿しよう!