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「おいウナギ!
喉が渇いたなーお茶を入れてくれー」
「はい、マスター。今持って来ます!」
ここは自宅リビング。
ショータロイドちょうきょ…育成の為には人間と同じ生活をさせてやるのがベストだと聞く。
まぁそれとパシらせてるのは全く関係が無いのだが。
「お待たせしました…っ!ああっ!?」
…バシャ
湯呑みを持ったまま慌てて駆けてきた少年。
勢いのままカーペットの端につっかかり転んでしまう。
結果として僕は頭から日本茶を被るはめになってしまった。
プルプルプルッ…
落ち着け僕の右腕…
「おいウナギよ。これはどういう了見だ?
暗に僕が小さい…とでも言いたいのだろうか?」
「違うよマスター!!確かに身長はオレとあんまり変わらないけど…違うんだ!」
プッチーン…
僕はゆらりと立ち上がると両手で首を掴み、ガクガクと前後に揺さぶる。
「ぐえぇ!苦しいマスター…」
「うるさいぞウナギ!!
確かに僕は小さいけどなぁ!チンチクリンだけどなぁ!
頑張って24年間生きてきたんだよ!お前より10コも…実質24コも上なんだよ!!わかったか!?あぁ!?」
「わかった…わかったから離して…マス…ター」
…ガクッ。
何故だろう。こいつはショータロイドだから死んだりしないはずなのだが…
白眼を向いて泡を吹いてる姿が容易に想像出来た。
「良いから!さっさとそこ拭きなさいよ!
僕は着替えて来るからな!!」
「了解!マスター!」
返事だけは威勢良く、直ぐ様駆け出す少年。
ドンガラガッシャーン!!
…一体何をどうやったら1を片付けるのに10散らかせるのだろうか。
使えないにも程がある。
どこかでプログラムミスかバグでも起こっているのだろうか?
初日にして再点検が必要かもしれない…
ともかくびしょ濡れになった服のままでは気持ちが悪い。
さっさと部屋へ戻り着替えを済ませよう。
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