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「おかえり。……何、なんか機嫌良いわね」
「そうかな。まぁ、しーちゃんとこでかなりストレス発散出来たからね」
「それなら良かった」
「あ、お土産あるよ。お菓子系でしょ、それにおかず系。カオルくん家はおかず系ね。康太くんがお酒のおつまみにもなるって言ってたから」
「母さんたちが喜ぶよ」
家の中には陽子さんしかいなかった。
父と母、それに弟は仕事らしい。またこれも我が家らしいなと思う。
「カオル、あんた晩ご飯どうする?」
「ここで食べてから帰るよ」
「了解」
陽子さんがキッチンに立つ。
「あ、そうだ。カオルくん、勉強教えてよ」
「いいよ。何?」
「数学と英語」
リビングのテーブルに自分の部屋から取って来た宿題を広げる。
後は分からなかったところだけだった夏休みの宿題は、今日でなんとか終わりそうだ。
それから、パパやママたちより先に何故か慎太郎くんが帰宅した。
「ただいまー」
「おかえり。何でこっち来たの??」
「陽子さんから焼き肉するから集合って連絡来てた。皆も後1時間以内には帰って来るだろ」
慎太郎くんの言葉通り皆、1時間以内に帰宅。
夜7時前にはテーブルを囲み、お肉を焼き始めていた。
「大和、良く仕事早く終わらせたな」
「だって焼き肉だよ?帰って何も残ってないパターンなんて容易に想像出来たし。僕、これから集中するから話しかけないでってわがまま言って巻いて来たんだよ」
今日は1日、カメラマンの方の仕事だったようだ。
売り出し中の若手女優の写真集を担当しているらしい。
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