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「美乃、そんなに急いでどうしたの?」 「あ、うん。ちょっとね」 「そんなに急がなくても。王子ならいつものように待っててくれてるでしょ」 真穂とは同じ委員会。 いつものメンバーの中で進学したい高校も真穂とは一緒で、誰よりも私が心を開いているのは彼女だと思う。 「教えた時間より早いから私が高校の方に行こうかと思って」 「そうなの?でも、その考えは無駄みたいだけど」 「え?」 ほら、と真穂が指差す方を見る。 いつも委員会が終わる時間まであと20分くらいある。 それなのに校門のいつもの場所にはカオルくんと福永さんの姿があった。 「遊太先輩もいるんだ。ねぇ、真穂も一緒に帰って良い?」 「それは良いけど……」 「サプライズに失敗したからって落ち込まないの。それより待っててくれてる王子に感謝しなきゃ。ね?」 真穂がニコッと私に微笑みかける。 確かにそうだ。 それにこれ以上待たせるのも悪い。 私と真穂は小走りで校門に向かい、カオルくんたちと合流した。
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