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夏休みももう終わる8月末。
私はカオルくんと2人で買い物に出かけていた。
「カオルくん、本当に暇だった?無理に付き合ってくれなくて良かったのに」
「暇じゃなかったらちゃんと断ってるよ。俺が美乃といたかっただけだから安心しなさい」
「……あ、そ」
「何だよ。反応悪いな」
「もうどうでも良いから、ちゃんと探してね」
「はいはい」
私は急に欲しくなった小説のシリーズモノを全部集めようと出かける事にしたのだが、真穂とクラちゃんには予定があるから無理だと断られ、大和には暑いから外出したくないと断られた。
何だかんだでカオルくんを誘うことにしたのだが、カオルくんは二つ返事でOKをしてくれたのだ。
「しの、あった。これだろ?」
「あ、それ!!やった、11作品全部ある」
「一気に買うの?」
「うん。読み始めたら続き気になって仕方ないと思うし」
文庫本の方を11冊購入。
良いというのに、カオルくんが買い物袋を持ってくれる。
「すぐに読むなら、うち来る?」
「カオルくん家?」
「父さんも母さんもいないし、静かに読書出来るよ。田沼家は今日、悠希くんいるから面倒くさいだろ」
「そうだね。どうせ休みだし、読むの遅くなっても泊まれば良いだけだもんね」
「そうそう。来る?」
「行く」
それから私たちは、与田家の近くにあるみーちゃんが行きつけのカフェでサンドイッチなどの軽食を買ってから帰宅する。
「ただいまー」
誰もいないと分かっていても、声を出す。
カオルくんはそんな私を見てちょっと笑ってから「おかえり」と言ってくれた。
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