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「何?」 「集中してたのにごめんな」 「それは良いけど」 「そろそろ何か食べよう。もう夜だよ」 「え、今何時?」 「19時過ぎ。あと何冊あるの?」 カオルくんに言われ、窓の外に目線を移せばもう真っ暗だった。 与田家に着いたのが昼前くらいだったからもう8時間くらい本を読んでいたのか。 「2冊。もうお泊まりコースだね。陽子さんにメールしとく」 「そうしな」 買ったサンドイッチはもうお昼ご飯で食べている。 「晩ご飯どうする?」 「みーちゃん達は?」 「今日は帰って来ないよ。だから陽子さんのところに泊まる予定だったけど、しのがいるし別に良いかなって」 「そうだね。じゃあ、2人か。冷蔵庫に何かあるかな?」 「しのが作ってくれる?あれならどこかに食べに行くっていう手もあるけど」 「もう外出したくない。冷蔵庫見てくる」 「分かった」 カオルくんをリビングに残し、私はキッチンへ。 冷蔵庫は意外と充実したラインナップ。 「カオルくん、何食べたい?」 「生春巻き」 「えー、ライスペーパーなんて無いよ。諦めて」 「しのは何が食べたいの?」 「今の生春巻きで、生野菜の口になっちゃった。もう野菜いっぱい乗せたパスタにする。それで良い?」 「良いよ。俺は見たい本も見終わったし、DVDでも見ようかな」 「すぐ作っちゃうね」 「お願いします」
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