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次の日、私はみーちゃんの声で目を覚ました。 「え、美乃?」 「……ん?」 「何、泊まったの?」 「……みたい」 私のその言葉にみーちゃんはテレビ画面を見る。 画面は見ていた映画のホームメニューを表示していて、無音だった。 「映画見てたの?」 「うん。寝るつもりなかったのに」 「ふふ、美乃が寝たからカオルも寝たのね。本当にあんたたちって変なんだから」 私はカオルくんに寄りかかって眠っていたようで、カオルくんはソファに体を預けて眠っている。 私はカオルくんから離れてみーちゃんのいるダイニングテーブルへ。 「みーちゃん寝に帰って来たんだよね?朝ご飯作ろうか?」 「ううん。朝はいいや。お風呂入ってそのまま寝るから」 「そっか」 「うん。あ、夕方まで美乃いるなら15時に起こして欲しいんだけど良い?」 「いいよ。どうせ何の予定も無いし」 「ありがとう。まだ早いし、美乃もカオルの部屋でもベッドで寝なさい」 みーちゃんが私の頭をポンポンと撫でる。 時計を見ればまだ6時前だった。 眠って3時間くらいだろうか。 だから、こんなに眠いんだと心の中で納得する。 「ううん。カオルくんの隣りで良い。慎太郎くんもお昼には帰って来るよね?それまではゆっくりしてる」 「そっか。じゃあ、おやすみ」 「うん」 みーちゃんは自分の寝室へ。 私はカオルくんの隣りに戻り、カオルくんにまた寄りかかる。 「カオルくん、おやすみ」 返事はもちろん無い。 けれど、胸の中があたたかい気持ちでいっぱいになり私は満足して瞼を閉じた。 カオルくんはいい匂いがする。 とてもとても、落ち着く匂いだ。
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