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最終的に、私とカオルくんはソファに倒れ込み無理やり重なって寝ていたようで身体の痛みと暑さで目を覚ませば、慎太郎くんが私たちを微笑ましそうに眺めていた。
「……おはよう」
「はよ。いやぁ、女の子がいるって良いな」
「変態?」
「馬鹿言うな。親心だろ」
私の足はカオルくんの上に、右腕は下に。
右腕を無理やり引き抜くとさすがにカオルくんも目を覚ました。
「慎太郎くん、今何時?」
「もうすぐ11時」
「何だかんだでめっちゃ寝た……」
私が呟けば、カオルくんも同じくらいの声量で今日の第一声。
「頭痛てぇ。つか、身体痛てぇ」
「カオルくん、おはよ」
「おはよ。ほらやっぱり寝てただろ?」
と、急にドヤ顔をされムカついたのでカオルくんから少し離れて蹴りを入れる。
「カオルくんだって寝てたじゃん。私はみーちゃん帰って来たときに1回起きたもん」
「……そうなの?」
「うん。ていうか、慎太郎くんは寝ないの?仕事は?」
いまだに私たちを微笑ましそうに眺めている変態に話を振る。
「明日の朝まではもう行かなくて良いかな。さすがに俺も眠いし寝るよ」
「おやすみ」
「ん、おやすみ。……あ、カオル」
「何?」
「一応、聞くけど。変な事してないよな?」
「はぁ?!するわけないだろ!!」
まぁ、確かに高校生になってから泊まったのは初めてだったし。
ていうか、そういう関係じゃないって慎太郎くんたちが一番分かっているはずなのに。
「だよな、ごめんごめん。じゃあ、おやすみ」
慎太郎くんがリビングから出て行くと、カオルくんが盛大にため息をついた。
「アホな親だよね」
「本当にな」
「もうお昼ご飯だね。どうする?」
「夜は作って貰ったし、どっか食べに行こう」
「あ、でもまたここに戻って来なきゃ」
「何で?」
「3時にみーちゃん起こす約束しちゃって」
「分かった。じゃあ、ご飯食べたらまた家に戻ろう。映画見るんだろ?」
「うん」
それから私たちは出かける準備をして、一緒に家を出た。
そして与田家に一緒に戻る。
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