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帰宅後、時間は14時前。 「映画じゃまた寝るかな?」 「ひとまず俺はさっき買った雑誌読むし、しのは好きに過ごせば良いよ」 「うん、分かった」 カオルくんはソファの上で雑誌を開く。 私はそこから少し離れた場所に座り、テレビを点けた。 大量の洋画の中に最新作の邦画を見つけ、観る事にした。 「べったべたの恋愛モノだな……」 慎太郎くんもみーちゃんも趣味ではないこの映画に対して独り言のつもりでそう呟けば、カオルくんから返事が帰って来た。 「母さんが仕事関係の人に貰ったみたいだよ。ここに置いとけば誰か観るだろうって」 「そうなんだ」 「それ、面白い?」 「うーん。べったべたの恋愛モノ」 「好みじゃないんだな?」 「うん」 呆れた声色で笑いながら、カオルくんはまた雑誌に視線を戻した。 好みではないけど、暇だから観る。 少し集中し始めた頃に15時になる事に気がついて立ち上がって、カオルくんに「みーちゃん起こしてくるね」と声をかけてリビングを出た。 二階に上がり、カオルくんの部屋と使っていない部屋の前を通りみーちゃんたちの寝室へ。 一応ノックして中に入れば、2人とも熟睡していて私は慎太郎くんを起こさないようにみーちゃんにだけ声をかける。 「みーちゃん、3時だよ。起きてー」 小声よりほんの少しだけ大きな声を出した。 「みーちゃん?」 「んー」 カオルくんが起きる時と同じようなうなり声を上げながら、みーちゃんはそっと目を開く。
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