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パチパチと暖かい焚き火の音に、マルは目を覚ました‥
辺りは暗い木々に囲まれ、横にはぺロンが横たわる、焚き火に目をやると道案内人の後姿が座っていた。
「はっ、ここは?!アタシ‥」
「気が付いたかい?ここは街外れの森の中だ」
道案内人は背を向けたまま話す。
「夢‥‥街は?ガラの街は無事?」
「平気さ、みんな逃げて行った」
「…ガイドさん?」
出来れば夢であって欲しかったが、マルは恐る恐る道案内人の顔を覗いた。
「この顔を見てみんな逃げたんだ!」
振り向いた道案内人の顔はこの世のものと思えない鬼の形相をしていた。
「キャアアー!」
近寄る道案内人の顔を足蹴にした反動で転げ逃げたマルは、そばに置かれたリュックから剣を引き抜いて道案内人へと斬り掛かった。
『ま、待て!時魔法!』
道案内人が手をかかげると、マルの体は剣を振り下ろす手前でカチンコチンに固まった。
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