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「これも入れて!」
石畳の暗い遺跡の中、手持ちランプの灯りで瞳を輝かせる女性『マル』は道案内人の男にキンピカな剣を渡して言った。
「僕の話 聞いてますか?」
その横で伝記を語っていた王子『ペロン』が自分の方を見ないマルに聞いた。
「その話は知ってるわ、言ったでしょ歴史研究家だって」
「遺跡泥棒ですよね?!もう これくらいでいいでしょ?」
バッグ一杯に詰めた骨董品を重そうに担ぐ『道案内人』は言う。
円形の広間を囲むように立ち並ぶ石像には きらびやかな鎧や財宝が飾られて、マルはそれを選りすぐって道案内人に渡す。
「王子!絶対 国王にバレます!民に反感を買います!」
道案内人の言葉にもペロンはマルに見ほれて呆けてる
「彼女を妃に迎える、それなら問題ない」
「あんた、王子の妻になる気があるのか?」
道案内人がマルの顔をのぞくと輝く瞳が一瞬にごったように見えた。
「う、嬉しいわ!」とマルは返した。
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