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ぺロンの顔はこの世のものと思えない鬼の形相をしていた…
「何その顔…ぺぺぺぺロンなの?!」
腰を抜かすマルの声に、ぺロンは反応すると自分の体を見つめた。
『私は?……誰だ?』
ぺロンの声が、何故かダブって聞こえる。
「ち‥近寄るなぁ‥」
歩み寄るぺロンにマルは絞り出した声で言い、道案内人の元へと這いつくばった。
「ガイドさん!ねぇ!」
「うっ…う~ん…」
道案内人が生きていてホッとしたマルは、床に散らばるガレキ石を手にし振り向くとペロンへと投げつけた。
「痛てっ!」
ぺロンの顔にガレキ石が命中して転げもだえる
「鼻がっ!?僕の美顔が!な‥な‥何!?」
「キャーァ…ァ?……ぺロン‥王子??」
ぺロンは涙と鼻血を流してクシャクシャな顔をしているが、先程見たメチャクチャな顔ではない。
「?あれぇ??ゴ、ゴメンなさい‥気が動転してて」
何が何だかわからないと頭を抱えるマルの後ろで道案内人が起き上がった。
「ガイドさん、大丈夫?」
と振り返ると…道案内人の顔はこの世のものと思えない鬼の形相をしていた。
マルは声を失い、ぺロンが「ギャアァーー‥」と止めどもない叫び声を上げた。
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