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「ああ、悪い」
俺はまたフェンスに肘をかけ
―――…もう、いないんだ
春香はいない...
固く瞳を瞑った。
「編集長」
「あ?」
もう話しは終わったと思っていた俺は―――――…
まだ、いたの?
そう思いながら面倒くさそうな返事を返す。
「あの、」
「あ、お前の教育係り風間ね」
新人の言葉を遮り
聞きたい事だろうと思って言ってやったのに―――――…
「私、お前じゃありません」
そう言って
先ほどの綺麗な笑顔とは裏腹に
眉間にシワを寄せて
頬を膨らませて
プイッと長い髪を靡かせ屋上の扉に向かっていった。
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