7/10
451人が本棚に入れています
本棚に追加
/237ページ
「ああ、悪い」 俺はまたフェンスに肘をかけ ―――…もう、いないんだ 春香はいない... 固く瞳を瞑った。 「編集長」 「あ?」 もう話しは終わったと思っていた俺は―――――… まだ、いたの? そう思いながら面倒くさそうな返事を返す。 「あの、」 「あ、お前の教育係り風間ね」 新人の言葉を遮り 聞きたい事だろうと思って言ってやったのに―――――… 「私、お前じゃありません」 そう言って 先ほどの綺麗な笑顔とは裏腹に 眉間にシワを寄せて 頬を膨らませて プイッと長い髪を靡かせ屋上の扉に向かっていった。
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!