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「編集長」 デスクから顔を上げると オロオロ、挙動不審な奴 モジモジしながら新人がデスクの前に立っている。 チェックをしていたペンを持つ手を止め椅子の背もたれに背中を押し付けると 耳障りな音が鳴った。 ―――一体なんだ? そんな事を思いながら新人の言葉を待つ。 「あ、あの...」 「なんだ?」 「えっと...」 ―――イライラする。 「仕事の事なら風間に聞け」 そう言って俺は席を立ち いつも通り片手を上げ手をヒラッと反らして 屋上へ向かった。 「あ! 編集長ッ!!!」 呼び止める声など気にせず。 ―――ったく面倒くせぇ。
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