救い

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彩実は、俺の腕に胸を押し付けて笑いかける。 「しゅんちゃん」 俺の顔を、少し背を伸ばして見ていた。 彩実がかわいくて、思わず含み笑いしてしまった。 「ニヤニヤしてる」 「ニヤニヤじゃねーよ。」 苦笑ぎみに言った。 何故、人は皆‘ニヤニヤ’というのだろう。 長い間あったのに、含み笑いという言葉を知らないのだろうか。 やはり未だ、‘勝手に思っている’なのだろうか。 彩実は、俺のこと好きじゃないのかなあ。 「本当、うれしいんだね。」 「うれしいさ。」 確かに、こうして彩実と居られることは幸せな話…。 夢の世界なのだろうか。 覚めないでほしいと祈るだけ。 彩実が慰めてくれる人格(人柄)だからだろう。 純(すなお)のお陰だが。
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