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「燕は何食べたーい?」
「あ、私は……」
「わかった、お汁粉ね」
……いや、それでいいんですけどね。
特にこれといって食べたいものもなかったし。
「他は何か食べる?」
と訊かれたので、いいえと答えると組長はえー、と口を尖らせた。
……何故?
「もっと食べなよー。女子って別腹なんじゃないのー?」
それを一般常識にしないで下さい。
食べれない人は食べられません。
かく言う私も、食べれません。
「私はお汁粉ひとつだけで十分です」
「ふーん。そ?土方さんのお金なんだから、存分につかっていいのに」
そう言った組長は、お美代さんを呼ぶとここぞとばかりに色々な種類の甘味を頼んでいく。
一体、組長の胃袋はどうなっているのでしょうか。
「あまり食べ過ぎないで下さい。食べ過ぎも、体に毒ですよ」
と、私は少し注文を減らす。
え、何、お美代さんにめっちゃ睨まれてるのですが。
「燕のケチー。いーじゃん、ちょっとぐらいー」
「ご本人が食べたいと申しているのですから、沖田様に食べさせてあげてはどうでしょうか」
何で入ってくるかな、お美代。
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