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「そうそ、そうやってたまにはわがまま言ったらいいよ」
とご機嫌な理由を明かしてくれた
どうみても買い過ぎた絆創膏の箱を手にして
もう片方の手を繋がれ
「ゆっくりでいいよ」
そう促され、ベンチから立ち上がりふたりで並んで歩きだした
「懲りたなぁ」
ショーウィンドーに並ぶハイヒールは7センチはおろかもっとあるものもあって、とてもじゃないけどこんなのは履けないと
ソレを見ながら発したら思ってもない言葉が飛んできた
「そうだね
あ、でも
白いドレスのときはそこそこヒールがあった方がいいよね
その時は痛くないやつ、一緒に探そう?」
いつものように少し屈んで耳元で内緒話の様な声
その言葉の持ってるものを理解するのに少し時間がかかって
は?それって??????
解りかけたときに一瞬パニックに
擦れてることも忘れ、何故か急ぎ足になって
「いったっ!!!」
ピリッと感じた痛みで顔が歪んだ私を彼は笑って、絆創膏の箱をカタカタと鳴らしていた
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