ーレンタインバの森ー

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「暑いのだが」 隣を歩くシャベリネコが偉そうに言った。 「私も暑いわよ」 目にかかるほど伸びてきた前髪が鬱陶しい。 身にまとっている真紅のローブを脱ぎたいところだが、生憎ここは森林地帯。 熱帯の森で肌を露出するのは危険だ。 「炎の属性持ちのくせに暑いのは苦手なのか」 シャベリネコが嫌味を言ってくる。 私は生まれながらにして、炎の魔道を体に宿している。 だけどその力は完全じゃなくて、まあいろいろあって旅をしているわけだ。
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