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「いや……喋り声が聞こえる」
シャベリネコが目を閉じて言う。
目を閉じると、額の赤い紋様以外が真っ黒になるのが面白い。
「なら大丈夫そうね」
私は身をひそめていた茂みから出ようとした。
しかしシャベリネコにローブの裾を踏まれて転びかける。
「何するのよ!」
一応声を潜めながら。
「喋る魔物だっているのだぞ。俺のようにな」
「あ、そっか」
シャベリネコって魔物っぽくないからつい忘れちゃうんだよね。
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