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ある日のこと、男は表の清掃活動をしていたが、その作業中、放心状態となってしまった。目は虚ろで、口は半開き。
さすがに、この状態はマズイと感じた同僚が声をかけ、目を覚まさせようとした。
まさに、その時だ。
「あ、あああ」
男は何を思ったのか、突然、走り出した。
止めようとも、突然の出来事に驚かされ、同僚はどうすることも出来なかった。
男は走る。
走る。
何かにとりつかれたのように走る。
誰にも止めることは出来ない。
そして、男は焼却炉の中に飛びこんだ。
その行為に誰もが何が起こったのか理解するのに時間を要した。
皆が気付いた時は、すでに遅く男の悲鳴が、焼却炉の燃え上がる炎の中でこだました。
火は止められたが、男はすでに焼け死んでいた。
そのあまりにも、無惨な姿に皆、目を伏せずにはいられなかった。
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