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○7月7日
私の予想は的中した。昨日は木一本で満足していた鳥は、更に大量の木を食べた。
始めは美しいと感じていた鳥だが、どうやら危険な生物だったらしい。
地球の生態系を守るためには、殺すしかない。私は猟銃を持ち出して、鳥を殺そうとした。
ところが、鳥は木を10本ほど食べた所で急に、羽根を羽ばたかせたかと思うと、空へと飛んで行き、姿を消した。
軍からの報告で鳥は宇宙へと消えてったそうだ。
どうやら、巣立っていったらしい。
研究所の周りの木を食べられたが、被害がそれだけで済んで良かった。寧ろ、安いぐらいだ。
私は実に貴重な体験をした。今後は、この体験を科学の発展に役立てたい。
○7月8日
私は絶句した。軍からの連絡で隕石が落下した場所に向かうと、そこで、例の卵を発見した。外観も中身も全く同じ卵だ。
嫌な予感がした。
カッコウという鳥がいる。その鳥の生態は変わっていて、親は自分では育てず、他の巣に卵を産み落とし、他の鳥に育てさせるという。
もしかしたら、あの鳥も同じような生態を成しているのではないか。ただし、あの鳥の『巣』は、星そのものではないのだろうか。
そして、ある日、一斉に卵が降ってきたら…。
そんな、あまりにも恐ろしい想像をしてしまう。今度は、軍の指示に従い、孵化される前に卵を処分した。
こんな日は寝てしまった方がいい。これは、悪夢だ。早いところ、忘れてしまおう。
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