【招待状】

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こううなだれる彼だが、サッカー部の主将であり、一年から三年間ずっとスタメンを守り続けた男なのである。 運動神経は良く、色々なスポーツに精通しておりその上皆をまとめるリーダー的な要素を持っているため、三年生になるとサッカー部の主将になり、皆を上手くまとめ県大会にも出場した。惜しくも全国大会の一歩手前で負けてしまったが、本校としては快挙であり『今後に繋がる一歩』と言われるほどであった。 これ程までやりきった部活の部員であれば普通、勉強への切り替えも早く、今までの遅れを取り戻そうと頑張るはずであり、現にサッカー部員はそうしている。だが龍輝の場合は少し違った。 三年間本当に必死に何とか全国大会に出場しようと皆と共に切磋琢磨し、死にものぐるいで辛い練習も乗り越えてきた。 “あと一勝で全国だった。” 正義感の強い龍輝は個人の達成より全体の達成を重んじるため、いくら皆が個人的に満足しても龍輝はその結果には満足できなかった。
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