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『よくやったよ。お前は。何も恥じることはない。』
サッカー部顧問の言葉が頭に響く。
よくやった。
確かに周りから見るとよくやったし、誰もそれは否定することはできない。 むしろよくやった以上の成果を上げているのかもしれない。
しかし、龍輝にとってその言葉は一層辛いものであり、他の部員に申し訳なかった。
勿論、あんなにハードな練習を誰一人欠けることなく乗り越えれたのは龍輝への信頼の表れであり、龍輝を責める人は誰もいなかった。
それでもなお龍輝は自分を責めた。
自分にどこか欠陥があったから負けたのだ、と思わずにはいられなかった。
勉強に身が入らなかったり、現実逃避したいと思ったのはそのためであり、夏休みもそれを引きずったせいで結局9月を迎えてしまったのである。
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