【招待状】

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『ピンポーン』 家のチャイムがなる。 ちなみに龍輝は幼い時に両親を亡くしており、中学生の時から独り暮らしをしている。そのため、家事も全て一人でこなし、料理も上手くなった。 「6時か、いつもより早いな」 ふと時計を見て呟く。 長針はもうすぐで12にたどり着こうとしていた。 龍輝は足に鉛が付いているかのような重い足取りで玄関まで歩き、ドアを開ける。 「おはよう。」 「ああ、おはよ。てか今日はやけに早いな」 「…ああ、新学期早々遅刻されたら困るからな。龍輝はいつも寝坊するから心配なんだよ」 「俺は全然信用されてねーわけね」 今龍輝と話しているのは龍輝の親友の神崎光明(カンザキコウメイ)、スラっとしたそのモデルのような身体と整った顔つきはまさに“イケメン”である。 「まあ、まだ学校行くまで時間あるし入れよ。その様子だともうトレーニングは済んだんだろ?」 光明は日課として毎朝の朝勉、朝トレ(主にランニング)をしており、絶対に欠かさない。今もランニングウェアを着て、額には汗を浮かべている。
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