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私は1人で海岸を歩いていた。
他にはだれもいない。
それもそのはず、今の季節は暑い夏ではなく、寒い冬の季節だからだ。
それに、今の時刻は朝の5時。
さらに、昨日から雪が降っていて、海岸は白く化粧されている。
こんな時間と天気に、街から少し離れているこの海岸にやってくる物好きは、私しかいない。
…いや、だれもいない。
私は波打ち際で、目当てのものをさがす。
「…うん」
私は、『キレイだと思った石』を拾って品定めをする。
この石は、私のお目がねにかかり、ポーチにしまう。
再び私は石をさがし、キレイだと思ったらポーチにいれるのを繰り返す。
そう、これが私の日課…いや、義務だ。
「…よし」
私は、最後に1個拾ったら、家に帰ろうと決めた。
ポーチの中には石ころが数個はいっている。
「…あ」
私は、透明な石を見つけた。
石は、たまごみたいな形をしていた。
私はその石をいつもみたいに拾おうと手をのばす。
「きゃ!?」
手で石をつかんだ瞬間、チクリと針が刺さったような痛みと電流が身体走るような感覚が私を襲った。
「…なに?」
私は再び石をつかむ。
「…気のせいだよね」
今度はなにも起こらない。
私は、その石をポーチにいれ、家へ帰った。
もう時刻は5時半。
家にたどり着く頃には、朝ごはんが用意されているだろう。
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