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一日の初め、それは人の感覚によって変わる物だ。
カイリ・エクス・ルシアスは、そう考えている。
0時00分から、新たな1日が始まったと言う者も居れば、太陽が昇ってからと言う者もいる。
はたまた、自身が起きた頃が一日の始めと言う者も居たりするからだ。
ちなみに、最近のカイリは朝日を拝むのが、1日の始めである。
「ふぁ~、眠い。だが、やはり朝日を拝むのはいいものだ。今日も1日頑張ろっと、やる気が出てくる」
だけど、今の俺は年寄りみたいだ。
普通、俺のような若い奴等は、こんな朝っぱらから起きないしな。
俺は朝日を拝んで、気分が高揚した状態を保ちながら、シャワーを浴びに向かおうとした。
しかし、高揚していた気分を一瞬で吹き飛ばすものを見てしまい、その場に立ち尽くす。
・・・まぁ、いつも見ているから、立ち尽くさなくてもいいのだが、何故か立ち止まってしまう。
最早、これは日課になってきているレベルだ。おかげで、一気に気分が下がる。
それは、何か?
凄まじい速さで、恐ろしい量の書類に囲まれながら、様々な仕事をこなしている、荒れに荒れているディアスの姿だ。
ここんとこ、ディアスの奴はほぼ寝ないで仕事を片付けているから、今にも倒れそうになっている。
あれは、もう病人の顔色だ。顔が蒼白になっているし、今にも死にそうだな。
はぁ、嫌な物を見てしまった。いつも倒れるんじゃないかって思うから、心配になる。たまに、倒れるし。
なら、見たくないなら見なければいいんじゃないかって?無理だな。
俺の部屋はディアスの仕事部屋の奥にあるから、風呂場(男)に行くには、必ず仕事部屋の前の廊下を渡る必要がある。
だから、どうしても目に入ってしまう。
正直、リザ達が羨ましい。
女部屋からは、この廊下を渡らなくても、いいからな。
なんてたって、あいつ等の部屋は位置が違うし、風呂場やトイレ等も別にある。
※風呂場とトイレは、男女別々にある。
「あ゛ーーー!!!!」
ん?何だ?
「どうした―――」
部屋を覗いた俺が見た物は、一部の書類を崩した、ディアスの姿だった。
憐れだ。一部と言っても、結構あるからな。
「・・・もう、限界だ」
バタリ
倒れた。・・・限界が来たか。無理もない。
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