†第3章†友を大切に思い続ける王族

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毎日、徹夜並のペースで作業しているしな。お前はよく頑張っているよ。それは俺が認めてやる。 最初の頃は、部屋に収まりきらないくらいの書類の山だったのに、今では部屋に入りきる程だ。 俺なら発狂する。この仕事の量は・・・。大体、父上も無理をさせ過ぎているようにも感じる。 だからと言って、俺が父上に何かを言おうとは思わない。 とばっちりが来そうだ。 それに、ディアスに送っている依頼のほとんどは、ディアス専用の依頼。誰かが、出来るとは限らないからな。 結局、ディアスがやるしかない。 だが、最近はセアがディアスの仕事を手伝っている。同じ錬金術師だから、やれる仕事が多いんだな。 それを見ていて、歯がゆく思っている者がいた。フィアとシャルだ。 理由は、大切な人が困っているのに、仕事を手伝えないから。 俺から見れば十分すぎる程、手伝っているように見える。 それにしても、神城と決闘した後で、よく仕事が出来るよな。俺だったら、そのまま寝る。 あの時は、見ているだけで俺も疲れた。それなのに、無理やり働かせやがって。 一応これでも王子なのに、この扱いは無いだろと言いたいが、今更ディアスに王子扱いされまくるのは、気持ち悪い。 実際、俺も王子という柄では無いことぐらいは、充分理解している。 それ故に、友人とかに敬われたりされるのは、嫌い。普通に接してくれる方が好き。 だからこそ、ディアスには今まで通り接して欲しい。 一番の親友であり、部下、仲間、そして兄弟みたいだと思っている奴には特にな。 勿論、他の奴もだ。 シオンやリザ、クラウ、レーナ、レイド、フィア、シャル、セア、この8人だって、これからも変わらずに接して欲しい。 そう言えば、神城と決闘が終わって、うちの女性陣はみんなホッとしていた。 何せ、ここ何日か神城の姿を、まともに見なかったと言っていたからだ。 こちらとしても、ありがたい。 神城が来れば、迷惑ごとに巻き込まれる確率が上がるから、近づいてこないことには越したことではない。 平和だ。穏やかな日々が過ごせて嬉しい。それは、ディアスも同じく思っているだろう。 でも、あいつの場合、仕事が沢山あるから穏やかに過ごせてはいないな。ご愁傷様。 床に倒れているディアスを見ながら、合掌した。 ・・・後は、放置してもいいと思うか?いいわけないよな。
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