†第3章†友を大切に思い続ける王族

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「お前の言葉はむかついたが、聞き流してやる。早く、俺にも出来そうな仕事を寄越せ」 「・・・そこはかとなく不安だが、手伝ってくれるならありがたい。だから、手を借りる。あそこに置いてある依頼品を届けてくれ。全部依頼品の上には、依頼書を置いているから、その依頼書の送り届け先を見て、届けてくれ。それぐらいなら出来るだろ?後、何故命令口調?」 「あぁ・・・確かに出来るな。・・・仕事を休んで、寝ろ」 「そうさせて貰う。そして、最後の問には答えてくれないんだな。・・・後は頼んだ」 ディアスはゆらゆらと立ち上がり、仕事場を抜け、自室に戻った。 「はぁ、自分で手伝うとは言ったものの、まさかこんなに仕事を任されるとは」 俺の目線の先には、大小様々な依頼品の山が出来ていた。 「届けるだけだから、俺にでも出来るが、この量はかなり時間がかかるな」 とんでもないことを言ってしまったと、今更ながら後悔してしまう。 ――――――†―――――― ディアスと別れた後、あれこれ考える前に、俺はまず朝風呂に入り、身嗜みを整え、料理を作り始めた。 実際、今日は料理を作るのが、面倒だなと思ったが仕方ない。俺が朝食を作る、当番だからだ。 学校でもよくあるだろ、掃除当番とか。まぁ、そんなわけで料理を作ったんだ。 この家に住むためのルールでもあるからな。ちなみに、当番制は、ディアスが定めた。 理由は、炊事や掃除等を俺1人に押し付けるな。住みたければ、お前達も働けとのこと。 この理由は、特に渋ることなく全員納得した。 俺達は居候だから、意見なんて言えない。素直に認めるしか、選択肢はない。 でも全員、人並みには家事が出来るのが救いだ。もし、出来ない奴が居たら、悲惨な結果になりそうだ それと、俺達はディアスの家に住みついたが、寮から出たわけではない。 ちゃんと、寮にも俺達の部屋は残っている。残しておけば、何かあったさい色々と便利だしな。 俺が料理を作り終えようとした頃には、朝の6時半になっていた。 ディアス以外は、全員起きてきた。眠そうにしながらな。 そうだ、朝食の時にでも、仕事を手伝ってくれないか聞いてみるか。 1人であの量は、やりたくはないからな。
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