†第3章†友を大切に思い続ける王族

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そう言うわけで、朝食を食べている時にいざ頼み込もうとしたが、中々言いづらい物だな。 自分で手伝うと言った反面、皆にも手伝って欲しいと頼み込むのだから。 それに、一日を潰すような物だ。用事が無くても、やりたくはないだろう。 だが、1人でやるのは辛い。恥を忍んで頼み込むか。 「なぁ、今日はちょっと皆に手伝って欲しいことがあるんだが」 俺以外、他愛無い会話をしていた皆が、一旦話を止め、静寂と化した。 言いずらいから、そこまで静かにならなくてもいいのにと心の中で叫んだが、相手に伝わるわけがない。 「どうしたの、カイリ」 ありがとう、シオン。その言葉を待っていた。聞き返してくれないと辛かったから。 そこからは、シオン達に朝の経緯を簡略して話した。 シオン達の反応は、表情が引きつっている感じになっている。 そうだよな。予想しなくても分かっていたよ。 あっだけど、フィア、シャル、セア、シオン、リザは顔が引きつることはあったが、すぐにいいよと言ってくれた。 本当にありがたい。 問題は残りのメンバー。 俺と同じで、ディアスの仕事をやりたくはないと、思っているからだ。 その気持ちは良く分かる。俺だって、本当はやりたくない。しかし、あんな状態のディアスを見たら、ほっとけないだろ。 渋るクラウとレーナに、俺は手伝って貰えるよう交渉した。 結果、交渉には何とか成功した。報酬は、ディアスの料理になったけど・・・今度は、ディアスに頼み込まなければ。 苦戦しそうだ。 まぁ、いずれにしても、これで何とかなった。 「カイリ~、それで、どうするの?グループを作って、配達していく?」 フィアに言われて気付く。何も決めずに頼んでいたことに。取りあえず返事はこれしかないな。 「そうだな。グループを作って配達して行こう」 「そうとなれば、まず配達する区域ごとに、別けた方がいいんじゃないか」 「賛成です」 クラウの意見にレーナが賛同し、続くようにリザ、シオン、フィア、シャル、セアも頷いた。
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