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特にフィアが。
まるで、ストーカーだな。むかつくから、視線を消すか。
俺は視線を送っている奴等に殺気を当てると、一瞬で視線がばっと消えた。
「・・・消えたか」
「カイリ、視線なんて気にしなくていいのに~。僕は全く気にしていないよ~」
「お前は気にしなくても、俺が嫌だ」
ジッと見続けられるなんて、たまったものではない。ストレスが溜まる。
「でも、やりすぎだよ~。気絶した人もいるしね~」
「軟弱な奴等だ」
たかがこの程度の殺気で、顔を真っ青にする者や気絶する奴が現れるとは。
「軟弱だから駄目なんだよ~」
サラッと酷いこと言ったな。
・・・フィアの内心は、あまりよく知らない。おそらく知っているのは、ディアスやシャルぐらいだろう。
だからといって、知りたいとも思わない。
そんなものは、一緒に居れば、いずれ良く分かる。今すぐ、知る必要は無い。
それに、偶にサラッと酷いことを言ってくるから、内心は少し黒そ―――
「カイリ~、聞こえてるよ」
ブルブル
さ、寒気がする。
目の前のフィアはニコニコ笑っていて、確かに笑顔だが、瞳の奥に陰りが出ているように見えて恐い。
・・・・?
そもそも、俺は声に出して言っていたのだろうか?
「出していないよ~。でもね~、分かっちゃうんだ~。そういうの。あんまり、悪いことばかり思っていると、怒るよ」
最後の方が、いつもと雰囲気が違う!?
ここは、あれしかない。
「スミマセンでした」
俺は素直に頭を下げ、謝罪する。恐くて、頭を上げることが出来ない。
「土下座」
「!」
「嘘だよ~。だから、頭を上げてよ~。だけど、次は許さないからね」
全く冗談に聞こえなかった。あれは、本音にしか聞こえない。
最後の方なんて、いつもの雰囲気とは違い、絶対零度のように感じるぞ!
「わ、分かった」
絶対にフィアのことを悪く思わない・・・思わないじゃないな、思ってはいけないだ。
もし考えたら次は命が無くなりそう。
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