†第3章†友を大切に思い続ける王族

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特にフィアが。 まるで、ストーカーだな。むかつくから、視線を消すか。 俺は視線を送っている奴等に殺気を当てると、一瞬で視線がばっと消えた。 「・・・消えたか」 「カイリ、視線なんて気にしなくていいのに~。僕は全く気にしていないよ~」 「お前は気にしなくても、俺が嫌だ」 ジッと見続けられるなんて、たまったものではない。ストレスが溜まる。 「でも、やりすぎだよ~。気絶した人もいるしね~」 「軟弱な奴等だ」 たかがこの程度の殺気で、顔を真っ青にする者や気絶する奴が現れるとは。 「軟弱だから駄目なんだよ~」 サラッと酷いこと言ったな。 ・・・フィアの内心は、あまりよく知らない。おそらく知っているのは、ディアスやシャルぐらいだろう。 だからといって、知りたいとも思わない。 そんなものは、一緒に居れば、いずれ良く分かる。今すぐ、知る必要は無い。 それに、偶にサラッと酷いことを言ってくるから、内心は少し黒そ――― 「カイリ~、聞こえてるよ」 ブルブル さ、寒気がする。 目の前のフィアはニコニコ笑っていて、確かに笑顔だが、瞳の奥に陰りが出ているように見えて恐い。 ・・・・? そもそも、俺は声に出して言っていたのだろうか? 「出していないよ~。でもね~、分かっちゃうんだ~。そういうの。あんまり、悪いことばかり思っていると、怒るよ」 最後の方が、いつもと雰囲気が違う!? ここは、あれしかない。 「スミマセンでした」 俺は素直に頭を下げ、謝罪する。恐くて、頭を上げることが出来ない。 「土下座」 「!」 「嘘だよ~。だから、頭を上げてよ~。だけど、次は許さないからね」 全く冗談に聞こえなかった。あれは、本音にしか聞こえない。 最後の方なんて、いつもの雰囲気とは違い、絶対零度のように感じるぞ! 「わ、分かった」 絶対にフィアのことを悪く思わない・・・思わないじゃないな、思ってはいけないだ。 もし考えたら次は命が無くなりそう。
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