†第3章†友を大切に思い続ける王族

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・・・考えるな。こういう時は、ひたすら仕事に打ち込むんだ。それしかない。 「早く行くよ、カイリ」 「あ、あぁ」 相変わらずニコニコ笑顔のままだが、何を考えているのかわからないから、余計に怖い。 これ以上、フィアの癇に障る行為をしたくない俺は、大人しくフィアの後ろを着いて行くことにした。 おそらく、これがもっとも最良で最前な行為だと思う。 ただ、次の配達先に行くまで、会話があまり無かったのが辛かった。 そういえば前にディアスが言っていたな。 大抵の女は表と裏の2面性を持っていて、うまく使い分ける奴は危険とか。 最初は全く理解できなかったけど、今は何となく分かった。 フィアは使い分けているのかは、分からないけど。どちらにしても、怖いことだけはあっている。 色々大変だったんだな。絶対この話は、実体験をへて話してくれたのだろう。 話してくれてありがとう、ディアス。この話を思い出せていなかったら、俺はどうなっていたか・・・。 考えたくない。 そして、今日1日で俺は何度考えたくないことばかり、考えてしまうんだ。 考えてしまうから、悪循環になるんだ。いつもなら、全く考えないのに・・・慣れないことをしたのが間違いなのか? ・・・もうよそう、考えるのは。 本当に考えるのを止めることが、出来るか分からないけど。 取りあえず心構えから、形作るのが大事だろう。 この心構えのおかげで、フィアに話しづらくなった後も、着々と仕事をこなすことが出来た。 ふぅ、人間頑張れば何とかなるものだ。仕事で疲れたけど。 けれど、俺は困難を乗り越えれた。長かった。まるで、登山をした気分だ。 今では、いつも通りフィアに話しかけられるように、修復出来た。 これが何よりの成果だ。ホント。 けれど、困難を乗り越えた先は、最後の配達先だ。これで、終わる。 えっと、最後の配達先は、一輪の花という店らしい。
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