†第2章†学園生活と漆黒の日常

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月日が経つのは早いものだと俺は年寄じみたことを最近よく考えていた。 それもそのはず、今は5月なのだ。俺が入学した日から一か月も経っていた。 だけども俺がこの一か月間経ったことを他人よりも早く感じるのには理由がある。そうありすぎたのだ。 実に内容が濃い出来事のオンパレードだよ。良いこともあれば悪いこともあった。 主に悪いことの方が多かったがな。ははは・・・・笑えないな。 でも悪いことだけではない。嬉しい気持ちと嫌な気持ちの半々だな。 家を買ったこと。 ラグナに頼んでいたことが全て終わり、何時でも封印が解けるようになったこと。 知人や旧友に会えたこと。 レイド先生と仲が深まり、今では呼び捨ての関係になったこと。 そして約束した儀式。【永遠の誓い】をフィアとシャルに結んだことは良かったよ。 特にフィアとシャルの笑顔が見れた時は、嬉しかったが【永遠の誓い】による代償には流石に予想出来なかった。 フィアとシャルが俺に捧げるため、代償にした物は信頼をしている者でも絶対に渡せるものではない物だ。 だからこそ、到底忘れることの出来ない思い出になり、これからもずっと忘れないだろう。当然今でも鮮明に思い出せる程にな。 あの時――― ――――――†―――――― フィアとシャルに約束した日から一週間が過ぎ、封印が解けるようになった。 封印が解けるようになったのは、俺にとっても喜ばしい。封印されている間、厄介ごとに巻き込まれたら最悪だからな。 だが今回は封印している間、平穏に過ごせたから嬉しかった。後ラグナの力も使えるようになったから助かる。 そして、俺の封印が何時でも解けるようになったことに喜んでいる者がいた。フィアとシャルだ。 フィアとシャルは、一週間が過ぎたらすぐに【永遠の誓い】を始めようと言ってきたからな。 余程結びたかったんだろう。2人の気力も十分に伝わった。でも俺はてっきり次の日かと思った。 何故なら俺が封印を解ける状態になったのは深夜だったからな。流石にやらないと判断していたが俺の考えが甘かった。 封印が解ける状態になったらすぐにやると言い出したのだから。 まぁやるのは、良いんだよ。別にな。ただ、こんな夜遅くにやるとは思わなかったよ。 それよりも俺は何を代償にしようか?そもそもフィアとシャルは何を代償にするんだろう。わからんな。
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