156人が本棚に入れています
本棚に追加
私達は無事、体育が終了し、Dクラスに戻ろうとしていた。
ふと、EDOが納得がいかないような顔をしていたので、声を掛けてみた。
「いや、だってよ…本当にお前Dクラスな訳?俺と一緒なんてありえねぇだろと思ってな」
「最初は誰だってDクラスなんでしょ?私今日転校してきたばかりなのよ?そんな一日で上に上がれるわけないでしょ?」
「ああ、そうか……そうかもな、あはははは」
苦笑いするEDOに少々溜息を吐く私。
ストレス気味で倒れないだろうか…
「転校してきたばかりならよ、初回試験があるんじゃないのか?」
「初回試験?」
「ああ、まああれだよ。まだ教師もお前のこと分かんないからどんなのか調べるんだろ?」
「そういう事ね、よく覚えておく」
「明日だと思うぜ、術式試験はまだ先だからまあ…知識の方だな…キーィィ!!学力なんて関係ねぇのによぉーちくしょー!!」
どうやら意味不明に叫んでいる彼は勉強が不得意みたいです。
「勉強好きな人なんてそうそう居ないわよ、私だって嫌いだし…苦手だし」
「お前に苦手なもんなんてあったのか?見た目からして全然弱点が無さそうだけどなあ」
「よく言われる」
容姿がそう見えるのか分からないが運動以外は結構苦手なものが多い。
虫も案外嫌いだし、幽霊とかはもう絶対無理で…ようは臆病って事。
とりあえずDクラスに戻った。
「うおおおぉおお!?めっちゃ綺麗になってないか!?」
「うん、癒麗ちゃんが綺麗にしてくれたんだよ」
「マジで?!」
先程から五月蠅い男である。
というかこのDクラスは綺麗好きとか掃除しようとかそういう人は居なかったのであろうか。
微妙な顔をしながら教室全体を見ているとふと、背後から声が掛かった。
「あれ?新入り?」
後ろを向けば私よりも15㎝以上はあろうかという背が高い人が風船ガムを口に含みながら私を凝視していた。
イケメン…ゲホッ!!
「へー、俺ジョレン=ベクターっつーんだ。まあ好きに呼んでくれ」
下手に笑うとそのまま床に寝そべった。
寝そべった時に気付いたのか「なんか教室綺麗だな」と呟いていた。
最初のコメントを投稿しよう!