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「ねぇ、ねぇ。
理央(リオ)って来季くんと幼なじみってホント!?」
「え!?
そうなの!?」
クラスの女子たちがあたしの回りに群がって来た。
「え~!
いいな~理央。
来季くんと幼なじみなんて羨ましい~」
来季は中学に入ると急激にモテ始めた。
丸い瞳はいつの間にかキリッと切れ長になり、
泣き虫だった性格はクールで無口に、
気がつくとクラスの中で誰よりも大人びていた。
「幼なじみだから仲がいいんでしょう?」
「今度、理央ん家遊びに行っていい?
もしかしたら来季くんと仲よくなれるかもだし」
昔からそう。
あたしによって来る子は皆、
来季目当て。
「ごめん。
一ノ瀬とそんなに仲良くがないから…」
あたしはそう言っていつも逃げていた。
だって、
今の来季はあたしの知ってる来季じゃないから。
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